金王八幡宮
中学の頃、友達に言ったことがある。
「数学を極める」と。
数学は良くできた方だった。が、しょせん井の中の蛙だった。
「上には上がいる」
父がよく言っていた言葉だ。
ほんとにその通りだった。
結局、数学を極めることは叶わなかった。
だから、金王八幡宮へ来た。
「天地明察」を読んだ。
あの頃の自分を取り戻すために。
一体、自分は今、何をやっているのだろう。
恐れ多くも、若い頃の安井算哲、いや渋川春海と同じ気分だ。
算額絵馬はもう無いものだとばかり思っていたが、あった。
問題と出題者の名前が記された絵馬である。
あったのは数学の問題ではなく、碁の問題だった。
名前を見て驚愕した。
からん、ころん。
あの幻の音が聞こえた。
『棋聖 張栩』
囲碁日本一の男である。
その男が碁の出題にここへ?
子供には何かを達成して欲しい。
何かを極めて欲しい。
当然ながら金王桜に桜は咲いていなかった。
また、桜の季節に来ようと思う。
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